コピーしたプリントを数枚ずつホチキスで留める。最後の一部。
「はい、終わりましたよー」
山積みになったプリントを、トントンとまとめた。さっきの自分だけ厚いプリントを思い出し、またガクッと気持ちが下がった。
「あぁ、ご苦労さん、助かったよ。ご褒美にお茶でもご馳走しよう、って言っても、ここにあるのはコーヒーか日本茶だけど」
そう言うと、井関はコーヒーを作り出した。
え、職員室でお茶をご馳走になるなんて、なんか特別感! 一瞬ラッキーと思ったが「あ、私はいいです、持ってるから」私はそう言い、カバンの中から紅茶を取り出した。
「ああ、それか? 例のアールグレイって。缶の紅茶なんて確かに今時珍しいな」
「そうなの、最近じゃこのサイズの缶紅茶なんて売ってるの見たことないし、このアールグレイも、今じゃどこで売ってるのか……って! 先生! 砂糖、砂糖!!」
井関は私の話を、うん、うんと聞きながら、コーヒーに5本目のスティックシュガーを入れようとしていた。
「ん? 俺、甘党だから」
そうサラリと言うと、5本目の砂糖をためらいなく入れた。