Dear 叶多


 この手紙を読む頃、あなたと出会って、幾つの季節を過ごしていることでしょう。

 相変わらず素直じゃない私は、もしかすると、まだちゃんと気持ちを伝えていないかもしれない。

 そんなこと言うと「素直じゃないのは、俺も同じ」なんて、あなたは言うかな?

 もっと早く気持ちを伝えていれば、こんな遠回りはしなかったかもしれないよね。

 でも、遠回りがあったからこそ今の私が居るんだと思う。

 夢があって、大切な友達がいて、愛する人がいて――。

 今の私は幸せ者だね。

 きっとこんなこと、恥ずかしくて言葉に出来ない。

 もう手紙を書くことは、なくなってしまうかもしれないけれど、何か大切なことを忘れかけた時、その時はまた書いてみようかな。

 今まで沢山の愛の言葉をくれた、あなたに。
 
 ずっと伝えられずにいた愛の言葉を。

 先生ありがとう。

 あなたを愛しています。

 From the one that loves you

 ―あなたを愛する者より―








【完】