キーンコーンカーンコーン……。

 遠くにチャイムの音がする。今日も遅刻。

 学校近くのコンビニで、焦ることもなく立ち読みするのが私の毎日。同じ学校の生徒がコンビニ前を走り抜ける。“頑張って~”そんなふうに思いながら、生徒たちを横目で見ていた。

 きっと走れば間に合うね。でも、そんなの面倒。走って行く生徒を見送って、また雑誌に目を戻した。

 なんだか毎日かったるくって、正直学校に行くのさえ面倒に思える。このまま来た道を戻りたい衝動も、こういう気分になるのも毎日のこと。別に何かの病気とか体調が悪いってわけじゃない。それなのにこの気怠さと、毎日が「つまらない」と感じる。

 そんなふうに思っていても、学校を休んで何かすることがあるわけじゃないし、家に居てもつまらないし、このままどこかに行くって場所も何もない。ただ、ただ、無気力なまま、毎日を過ごす。

 篠田(しのだ) (あん)

 楽しみなんてない。

 好きな物なんてない。

 好きな人さえいない。

 勉強が嫌いとか、運動が苦手とか、うるさい所がイヤとか……むしろ、嫌いなことの方が多い気がして、なんだか毎日が『苦痛』。

 学校に内緒でバイトしている生徒もいるらしいけど、バイトをするのも面倒に思える。学校が休みの日は、ずっと家でゴロゴロしているかも。

 自分で何をしたいのかも、どうしていいのかも分からない。

 何も見つけられない。

 いつも誰かが何かを変えてくれることを待ってる。

 ま、そんな都合よくいかないことも、わかってる。

 あ~あ……。

 なんでこんなんなんだろ……私。