「井関先生、いつこっちに戻って来るんですか?」

「年内には戻ってくるつもり。こっちの学校も見つかったしね」

「良かったですねぇ、やっと2人一緒に居られるんだ」

 私を見て、ミカが微笑んだ。

「式はいつにしたの?」

「来年の5月。先生がこっちに居ないから、打ち合わせが大変よ~。私は、先生がこっちに戻って来てから、ゆっくり決めればいいと言ったんだけど。私も先生も仕事が忙しくなる前に、式を挙げようって先生が言ったから」

「1ヶ月待って、6月のジューンブライドにすれば良かったのにぃ。憧れちゃうわぁ。私はもう終わっちゃったけどぉ」

 ミカが目をキラキラさせて言う。ミカのこういうところも学生の頃と変わってないなぁ。

「あーダメダメ、杏は梅雨から夏にかけてが嫌いだから」

 ミカの言葉に先生が答えた。

「まったくぅー。女って普通ジューンブライドに憧れるもんなんだけどぉー」
「いいでしょー、私が結婚するんだからー」

 ハイハイというように、ミカが頷く。