あの後……。
私の停学が明けて、何週間後か……先生は目を覚ました。
先生を刺し逃げていた男たちも、その後すぐ捕まったそうだ。
先生は教師をクビになることはなかったけど、すぐに身体を動かすことが出来なくて、教師に復帰するのに時間がかかった。噂通り、私達の学校に戻って来ることは出来ず、地方の学校へ転勤になった。
お見舞いに行った時に渡した、私の手紙を読んだ先生は、私に返事をくれた。
今度は私にも読める日本語で。
私の知らなかった、わからなかった……先生の想いがたくさん詰まった手紙。
もうあのアールグレイはないけれど、とても嬉しかったよ。
先生に会ったのは、それからまた数週間後。
その間、幾度かの手紙のやり取りをした。
今時手紙って……って、以前の私はそう言ったよね。
先生に会いたい、話したい……そう思っても、電話じゃなく、メールじゃなく、私たちには便箋に書く手紙が合っていると感じてた。
先生のために選ぶ、便箋や封筒、それがとても新鮮で嬉しくて……。
だから、どちらからともなく、自然と手紙のやり取りがずっと続いてた。