その後の入江先輩は、そのウワサが他校にも流れ、先輩の悪評は相当なものだったらしい。

 それ以来、私の身近では、入江先輩を見かけた人は居なかった。

 私といえば、卒業近くになる頃には、井関先生とのことを応援してくれる声もあった。

 その入江先輩のウワサを流したのは、一体誰なのか……。

「あ~やっぱり、泉屋の抹茶パフェ、美味しい~」

 すぐ、わかったけど。

 まったくミカは……。

 お節介というか、バカがつくほど、友人思いというか。

「ミカ、ありがとう」

「んー? 何がぁ?」

 ミカはパフェを頬張りながら、キョトンとした顔をした。

 ミカが居なかったら、私は今頃どうなってたかな。昔のまま、無気力な毎日を送っていたかもしれない。ミカのお陰で、井関先生のことも頑張ってこれた。

 きっかけは、あのアールグレイと英語の手紙。

 先生からの沢山の手紙。

 今も大切にとってあるよ。