『ねーねー、杏と入江先輩のこと知ってる?』
『杏と入江先輩? 杏と井関先生じゃなくて?』
『そう、入江先輩』
『えー、知らなーい。何かあったの? 付き合ってたんでしょ?』
『それがさー、入江先輩、井関先生との関係をバラされたくなかったら俺と付き合えって、杏を脅してたらしいよ』
『えー! サイテー!』
『そんなのバラされたら、先生クビになっちゃうじゃん。それでなくてもそんな噂が流れれば教師なんてすぐクビになっちゃうだろうし。杏は仕方なく入江先輩と嫌々付き合ってたらしいよ。結局こんなことになっちゃったけど……』
『杏……かわいそう……』
気付けば、私と井関先生のウワサから、いつの間にか入江先輩のウワサに変わっていた。