「そのアールグレイと手紙、井関先生からだよ」

「え?」

 井関先生?

「この新しい下駄箱に移動させたのは、私だけどね」

「ミカ、どういうこと? 先生からって……」

 停学になってしまった私は学校の荷物や上履きなんかをミカに家に持って来て欲しいと頼んだけど。

「そのアールグレイと英語の手紙を、杏の下駄箱にずっと入れていたのは、本当は井関先生だったんだよ」

「……だって、入江先輩が自分だって……」

 なにがなんだか……。

「杏の下駄箱に、アールグレイと英語の手紙が入っているって知っていたのは、少なからず他にも居たから。ほら井関ファンたちに先生が話したこともあったじゃない。入江先輩もどこからか耳にして、そう嘘ついたんじゃないかな」

「……ウソ?」

「そうすれば、杏が自分と付き合うと思って」

「そんな……」