毎日の電話にメール。なんだかんだ言っても幸せそうだ。愚痴や惚気話を聞いたり、ミカをからかったり、それも面白くていいんだけど。
ミカのそういう恋する気持ちにイマイチ反応しきれないと「だから早く彼見つけなさいよー」と、言われてしまう。そう言われてもねぇ……。
好きだと思える人とじゃなきゃ、付き合ったって意味ないじゃん。
“とりあえず付き合う”とか、そんなかったるいこと、私には出来ない。
彼が居なきゃカッコ悪いとか「彼ほし~っ」って騒いでいるのを見ると、引いちゃうんだよねぇ。彼がいることがイコール充実しているとは思わない。なんでも人に合わせることが苦手な私は一人が気が楽だって思ってしまうから。
だけど、今の私には夢中になれる物もない。すべてがかったるい……面倒くさい……。
そのくせ、取りあえず付き合ってみる。とかいうのが、時間の無駄と思ってしまう。
自分で自分が面倒くさいと思ってしまうんだから、かなり重症だ。
「そうそう! リクから聞いた話なんだけどね。例の手紙の差出人に関係あるかもしれないんだ」
「手紙の差出人に?」
「うん! 泉屋行って話そうよ」
ミカが早く早くと楽しそうに手を引く。泉屋とは、私たちがよく行く甘味処。