いつもの昇降口に着くと、下駄箱が変わっていることに気付いた。
「あ、そっか」私が最上級生になったことを知る。私は3年の下駄箱へ急いだ。
そっか私が3年生か……もちろん担任は、井関先生じゃない……。
「ちょっと篠田さん!」
3年の下駄箱には私を待ち構えるように、ずらっと井関ファンが並んでいた。
「よく、ぬけぬけと学校に来れたもんね!」
「そうよ! 井関先生をあんなひどい目に遭わせて、自分は何もないような顔してさ!」
言葉が出なかった。
私はどんなことを言われてもいい、そんなのは慣れているはずだった。
先生のことを言われることが……今後どうなってしまうか分からない先生のことを言われることが、私の胸を引き裂いていく――。