「どうしたの?」
ポンと肩を叩かれ、振り返ると……。
「あれー? 泣いてんのー?」
知らない男が2人。
20代前半くらい。傷み切った金色の髪を伸ばし、いかにも遊んでいそうなそんな身なりをしている。
私は無視して歩き始めた。
「ちょっと、ちょっとー」
「逃げなくてもいいじゃん」
追いかけてくる2人を無視して、走り出す。
「待ってよ~」
走る私を、それでも2人は笑いながら追いかけてくる。
「ほら雨酷くなってきたし、雨宿りして行こうよー」
1人が肩に触れた。
「イヤッ!」
ガリッ!
「いてぇ!!」
手を叩いた拍子に、男の顔を引っ掻いてしまった。
「てめぇ!!」
「きゃああ!」