職員室には数人の先生が居る。

 毎日放課後、担任の元に通う生徒。

 他の先生はどう思ってるかな? 生活指導の先生のように、やっぱり、勉強熱心な生徒と思っているんだろうか。こんなことがなきゃ、井関の所になんて来たりしないのに……。

 教室でこのやり取りをしないのは、騒がしい井関ファンが居るから。きっと面倒なことになる。それは井関にも分かるのだろう。まるで放課後、相談室での時間外授業。この手紙のことを誰にも知られたくないと思う私への、この気遣いが、井関のちょっとした優しさなんじゃないかと感じた。

「your smile is like sunshine―君の笑顔は太陽のよう―」

 井関が手紙を読み上げた。

 かあぁぁぁぁ……その内容に顔が赤くなる。

「君の笑顔ぉぅ!?」

 なにこれ……。なんでこんな歯の浮くようなこと書けちゃうわけ!? 恥ずかしくないのかな。

「しかし、熱烈なラブレターだな」

 井関はふむふむと感心するように腕を組み頷いた。

「もう! 井関、感心してないでよ! この差出人、誰なのかわからないし、   名乗ろうとしないし、私に何を求めているのかもわからないし……」

「まぁな」