「井関先生、そのテストは篠田 杏ですか?」

「えぇ……」

「まったく、2年のこの大切な時期に、テストを白紙で出すとはどういった生徒ですか。これは大問題ですよ」

「……」

「まぁ以前から、遅刻や欠席も目立っているようですし、このままだと3年への進級も難しくなりますよ。しっかりと注意してくださいね、井関先生」

「……はい」


『2年、篠田杏、職員室まで来てください』

 テスト最終日、私は井関先生の呼び出しを受けた。

 まあ、原因は分かっているけど。