私は何を考えてるんだろう。

 先生に自分の気持ちを伝えたわけじゃない。先生に何か言われたわけでもない。

 ただ自分がうぬぼれて、勘違いして、先生の特別になりたいなんて勝手に思って……。

 先生が悪いわけじゃないのに……。

 考え過ぎて頭が割れそうに痛い。

 こんな気持ち早く冷めてしまえばいいのに。

 先生を嫌いになれたら楽なのに。

 私は子供だから、先生みたいにクールにはなれない。

 平然を装って、先生と話すことなんて出来ない。

 嬉しかったのに……。

 あの日、先生が抱きしめてくれたこと、優しく頬に触れて、そしてキスしてくれたこと……。

 先生に会えることが嬉しくて、一瞬でも姿を見れることが嬉しくて。

 話せたら、目が合ったら、言葉に出来ないくらい、何にもかえられないくらい、ただ、ただ、幸せだったのに……。

 もうそれさえも薄れていく――。