「……なんで、そんな顔すんの?」

「……」

 先生は答えない。

 傷ついているのは私の方だよ! そう言ってやりたくなった。

 先生の言動に振り回されて、傷ついているのは私なんだから!

 私は来た道をそのまま走った。

 止めようとする先生はいない。

「……っ……」

 先生のバカ! バカ! バカ! バカ!

 キライ!

 キライ――。

「はぁ はぁ……」息が切れる。

 ぎゅっと私は胸をおさえた。

 胸が苦しい……苦しい……。