私はただの生徒で、井関ファンと同じように、生徒の一人としか見てもらえずに……。

 先生の隣には素敵な女性が居る。

 私がどんなに想っても、頑張っても、無駄だった……。

 今までのことを後悔しても、先生に釣り合う女性になりたいと、好きになってほしいと望んでも、無駄だった……。

 これが現実。

 目の前を激しく行き交う車の影に先生の姿を見失う。

 追いかけても、もう無理――。

 私の中で何かが少しずつ崩れていく気がした。