毎年、年末年始は離れた祖父の家に挨拶に行くことになっていた。

 それがいつも面倒で、短い冬休みがそれだけで潰れてしまうんじゃないかっていう苦痛しかなかったけど、今回ほど地元から離れることにありがたさを感じたことはなかった。だって、冬休みに入江先輩から誘われてもどこかに行く気になんてなれなかったから。初詣だって誘われても、誰か知り合いに会ってしまうんじゃないかって、それが心配だった。

 できれば新年なんてこなければいい。新学期なんてなくなってしまえばいい。

 もうこのまま消えてなくなってしまいたい。そんなふうにずっと思っていた。

 それでもいつしか日常は戻って、冬休みが終わり、新学期が始まっていた。