君が僕にくれた余命363日


「じゃん負けが鬼ね」
「よっしゃ勝つぞ!」
「あたしも勝ちたい!」
「僕も」

ここはぜったいに勝つ。


「みんなやる気だね。いくよ。じゃーんけん……」


成田さんの合図でじゃんけんをする。
結果はすぐに出た。


「くそ……俺のパーが……」
「やった!」
「ジローのひとり負け」
「よかった……」


ジローが一発目で負けて、鬼に決まる。

僕は胸をなでおろした。

どこかにじっとしてやり過ごすだけでなんとかなりそうだ。


「じゃあジロちゃん、1分後に探しに来てね」
「すぐに見つけてやるからな」
「これは勝ち確だわ」

木下さんの言う通りだ。


「ジュースありがとう」
「おまっ、ぜったいにいちばんに見つけるからな」
「はいはい」


それフラグだから。
見つからないやつでしょ。

有利な位置に余裕が生まれて、走り出す成田さんと木下さんとは違い歩いて移動する。

学校内とはいえ、教室は施錠されているところが多い。

とりあえず1分なんてすぐだからそう遠くにはいけない。

考えた結果、とりあえず階段を上って踊り場で窓からジローを確認する。

スマホを見ているジローは時間を計っているのだろう。

僕もスマホで時間を確認すると同時にマナーモードにした。

そして1分経った時、ジローは動き始める。


僕がいる場所とは違う方向へ走り出す。

まだ隠れる場所を探していると見て、その間に見つける作戦なんだろう。

とりあえず僕の所へは来ないと確信し、隠れる場所を探す。


4階に来ると、移動教室で使われる教室が多いため人はいない。

すべての教室のドアを確認するとやっぱり施錠されていたけど、いちばん奥の教室は施錠されていなかった。

音楽準備室で楽器が多い部屋。

死角にもなるな。

前半はここに隠れて、ジローがこっちの校舎に来そうなあたりで移動するか。

いや、動かないほうが安心だな。

奥のドラムの後ろに座って隠れる。

埃っぽく重いじめっとした空気に包まれている室内。

こんなところに楽器置いて平気なのか、と思うけど置いているんだから手遅れだ。


ぼーっとグランドから聞こえる部活動をしている声や、金属の当たる音に耳を澄ませる。

今、何分くらいかな。
と、ポケットに入れていたスマホを取り出すとメッセージが来ていた。