君が僕にくれた余命363日


ここ数週間で、なんだか目まぐるしく僕の世界が変化していっている。

それもこれも、席替えをしたあの日からだ。

カバンを持って教室を出る。
もう今日はこのまま帰れる。


「瑞季くん、待ってたよ」


だけど教室を出ると、廊下で待っていたらしい成田さんが仁王立ちをしている。

やっぱり。
と思い苦笑い。

放課後は毎日、と言っていいほど成田さんたちと過ごすから。


「遅い。今日は学校でかくれんぼだよ!」


横からひょいっと出てきた木下さんに驚く。


「え、何それ」
「楽しそうじゃない?」
「よくそんなことしようと思うね」
「天才でしょ」
「そうだね」


高校生になって、学校でかくれんぼをしようと思いつくなんてある意味天才だよ。


「わたし!わたしが考えたんだよ!」
「だろうね」


元気に手を上げる成田さんに相槌を打つ。

ばかと天才は紙一重、なんて言うけど成田さんは本当にその通りだ。

ばかよりの天才だと思う。

口に出して言ったらめんどくさいから言わないけど。


「おー、待たせたな。俺のために待ってくれてありがとな」
「ジローのためじゃないし」
「そうそう。普通に話してただけで、なんならジロちゃんのこと忘れてた」
「ごめん、僕もジローのこと忘れてた」
「おい!!」


大きく手を振りながらやって来たジローを3人でいじる。

泣きまねをするジローに笑わせてもらってから、場所を移動した。


「それでは今から第1回かくれんぼ大会を始めます!」


意気揚々と開会宣言をする成田さんに「ゲッ」と声が漏れた。

『第1回』て、これ続くのか……?


「ルールは普通のかくれんぼと一緒で範囲は学校内全部」
「広すぎじゃない?」
「おー、燃える」
「勝てる気しかしないわ」


僕の戸惑いをよそに、ジローと木下さんはわくわくした様子。

みんな乗り気だな。
いつものことだけど。


「時間制限は1時間ね」
「長くない?」
「何言ってんの?戦だよ。見つかった人は鬼にジュースおごりで、見つからなかった人はおごってもらう」


何でも賭けたがるな。

鬼は見つけた人数分、最高3本ジュースをゲットできる。

だとしても、隠れるほうが圧倒的に有利だな。
というか隠れるほうが楽だ。