君が僕にくれた余命363日


「瑞季って話せないやつかと思ったらそうでもないんだよな」
「え?」
「成田には普通に話してるし」

「まぁ、それは成田さんがめちゃくちゃだからというか」
「でも俺、それで瑞季のこと気になったから話してみたかった」
「あ、そうなんだ」
「クラスメイトなんだし、これからもよろしく」
「うん」
「あ、来たぞ。おら、もっと速く走れー!前抜けよー!」


成田さんと話している僕を見て気になったのか。

けっこう成田さんが普通に話してくるから僕も周りを気にせずに話しているところがあった。

だけど、それによって悪い印象を与えていないことにはほっとした。

面倒なことは嫌だから。


「はぁ、はぁー。どうだ、速かったろ」
「すごいね。そんなに足速いとは思わなかった」
「サッカー部だからな」
「キーパーだけどね」
「それ関係あるか?」

「きっと瑞季はガンガン攻めるほうを想像しただろうから」
「うん。そっち想像した」


キーパーだとしてももちろんランニングとかしているだろうから、こんなに速いんだろうな。


「顔笑ってんぞ。ばかにした?謝れコラ」
「してないよ。尊敬した」
「お前、いいやつだな」
「手のひら返し早すぎだろ」


変わりようの早さに僕も笑ってしまった。

おもしろい人だと思った。
少しジローに似ている。


「次、頑張れよ」
「それなりにね」
「ばっか!そんなんじゃ俺みたいになれねぇよ」
「なる気ないから」
「はぁ?尊敬したって言ったのは嘘か」


大きな声で訴えかけてくるけど、僕はそんな気はない。

尊敬はしたよ。

でも、なりたいとは思わないだろ。

そんなすぐになれるわけでもないし、元々運動は得意じゃない。


「瑞季おもしろいな」
「最高だよ」
「どこがだよ!」


仲の良い3人で、笑いが絶えない。

成田さんたちみたいだ。

だからか、僕も話しやすかった。

数分一緒にいて、嫌な気はしなかった。

そのあと持久走で有言実行。
それなりに頑張り、今日の体育は終わった。

教室まで一緒に戻り着替えを済ませる。


「瑞季、俺らとも仲良くしてな」
「また明日学校でな」
「付き合ったら報告よろしく」


3人組は部活に行くようで練習着に着替えて、僕のところまで来る。

言いたいことをそれぞれに言って手を振るから、僕は短い返事をして手を振った。

以前の僕じゃ考えられないな。