君が僕にくれた余命363日


「わたしは楽しかったらおっけー!」
「僕も大丈夫」


正直、女子ふたりだけだと僕が振り回されることが目に見えている。
だから彼の乱入はありがたい。

女子ふたりに僕が混ざるのも何だか気が引けるというか、不思議な感じだったし。

でも、放課後を4人で過ごすなんて。
僕がその中にいるなんて。

人生何が起こるかわからない。

触れた人の余命を見れる人がいれば、触れた人に自分の余命をあげることができる人もいる。

そう考えると、人生何があってもおかしくはないな。

僕は成田さんと並んで歩きながら、彼についての説明を受ける。


「ジロちゃんは美玲の幼なじみだよ。わたしより前から美玲と一緒」
「そうなんだ」
「見てわかると思うけど、美玲のことが大好きでずっとあんな感じ」
「すごいね。木下さんが圧倒されてるじゃん」
「まぁ、ジロちゃんの気持ちもわかるけどね」
「成田さんも木下さん好きだね」
「気持ちはジロちゃんに負けないよ」
「今のは聞き捨てならないな!?」


僕と成田さんの会話が聞こえていたのか、突然振り返る木下さんの幼なじみ。

ほんと、めんどくさい人だ。

多少の言い合いを挟みながら、4人で学校からいちばん近いファミレスに入る。

冷気に包まれ気持ちよく感じ、夏の片鱗が見える。

テーブル席に案内されると、当然のように木下さんの隣に幼なじみが座った。

僕は数分前に出会ったばかりの彼と向かいになる。

だけど、彼を真っ直ぐ見ることはできないから、視線を隣の成田さんと斜め前の木下さん向きにした。


「おい、女子ばっか見てんな変態」
「僕、帰ろうかな……」


まだ座ったばかりだけど、僕は正直いつでも帰れる。
というか、いつでも帰りたい。


「帰りたいなら帰れば?」
「じゃあ……」


腰を浮かす僕のシャツの裾を隣に座る成田さんが掴む。

彼女を見ればニコニコと笑みを浮かべていた。

何でそんなに楽しそうなのか僕にはわからない。