君が僕にくれた余命363日



「美玲もうすぐ来るって」
「そう」
「あと、余計なのも」
「へ?」

余計なの?

意味がわからず間抜けな声が出た。

何だろうか、と考えて間もなく慌ただしい足音とガサガサと物の擦れる音が近づいてくる。

ひとりじゃない。

それに、話し声が聞こえる。


「もうどっか行って」
「嫌だ。ぜったいついて行くからな」
「あーもうしつこいな!!」


え、修羅場?
嫌だな。できるだけ面倒事には関わりたくない。

だけど、この声は……。


「美玲。こっちこっち」


姿が見えるか見えないかくらいで、成田さんが声をかけた。

走って現れた影はこちらを向く。

髪が少し乱れており、息を切らして現れたのは予想通り木下さん。

だけど、その後ろにもうひとり。


「ごめん、お待たせ」
「え?こいつ?美玲がデートする男ってこいつなわけ!?」
「ねぇ、ほんとうるさいんだけど……」


木下さんの後ろから出てくると僕に一歩近づく。

着崩した制服にセットしておでこをだした髪型は陽気な男子高校生という感じだ。

見たことは、ない。

今年も去年も違うクラスだ。

僕が彼を見るよりも真剣に、彼は僕のことを頭のてっぺんからつま先まで何度も視線が往復する。


「……勝った」
「え?」
「こんな地味なやつに負ける気しねぇわ」
「最低。あんた、そういうところだよ!」
「ってことは美玲は俺よりこいつのほうがいいって言うのか!?」
「人を見下すようなやつは比べ物にならないわ。同じ土俵にも立てない。日野のほうがいい男だわ」

「瑞季くんは前髪でちょっと隠れてるけど、かわいい顔してるよ。イケメン!」
「ジローより内面も外見もかっこいいわ」
「はぁ!?」