「でも……」
「そんなに言うなら、わたしのお願い聞いてよ」
「お願い?」
「今日の放課後は3人で遊ぼうよ。美玲と瑞季くんが友達になった記念」
成田さんは名案だとでも言いたげに満面の笑みを浮かべる。
僕はさっきの不可抗力の罪悪感があるから、ここで拒否するという選択肢はない。
ずるい気もするけど、僕が悪いから何も言えないし言おうとも思わない。
「僕はいいよ」
「あたしも」
「じゃあ決まりだ!」
そこからは空気を戻すように明るく振る舞う成田さんの努力を無駄にしないため、僕も積極的に話に参加した。
木下さんも威勢を取り戻し、僕に突っかかってきたり成田さんとわいわい騒いだりして、すぐに気まずい空気は消えた。
途中微妙な時間もあったが、こんなに賑やかな昼休みを過ごしたのは3年以上ぶりだ。
いや、その時もここまで賑やかではなかったかもしれない。
いまだに何が起こっているのか不思議な気分でもあるけど、それなりに楽しい気持ちになったように思う。