君が僕にくれた余命363日


僕たち、数時間前に初めて話したばかりなのに。

それにいつのまにか呼び捨てになっているし。

無理して敬称をつけているとは思っていたけど。
べつに呼び捨てでもかまわないのだけど。


「一緒にお昼、食べるよね?」
「……うん」


怖いんだよ。
迫力がありすぎるんだよ。


「最初から素直にそう言えばいいのに」


ニコッと笑う笑みには恐怖しかない。

強引すぎるな。

最近の女子高生はみんなこうなのか?

成田さんでも僕は振り回されていたような気がするけど、成田さんはまだかわいいほうだったらしい。

木下さんは笑顔で近くの席を借りるついでにクラスメイトと話し始めた。


「美玲ね、瑞季くんのこと気に入ったみたいだよ?だからお昼も一緒がいいって」
「何で……」
「おもしろいからでしょ。あと、顔もかっこいいし」
「そんなこと言うの成田さんくらいだよ」
「ううん、みんな思ってるって」
「変わってるね。そんなのやっぱり君くらいだ」
「もう、卑下しすぎ。それにまた君って言った」


そこはどうでもいいだろ。

癖みたいなものなんだから。
と、心の中で反論するだけで声に出しては言わない。

反論すると、成田さんは生き生きしてつっかかってくることが目に見えているから。

彼女と時間をともにするうちにわかってきた。


「ごめんごめん」
「張り合いがない!」


ほら。

僕が反論することを待っていた。

同じセリフを聞くことになるとは思わなかったけど、成田さんと関わっていればすぐにまた聞けるんだろうな。