君が僕にくれた余命363日

振り返った成田さんと視線が交わる。


「どうしたの?」
「あのさ……」

「瑞季、日曜部活休みなんだけど遊ばね?」


成田さんに声をかけたところで、佐藤からの誘いがくる。
タイミング悪い。


「わかった」
「よっしゃ。じゃあ、また前日に場所と時間送るわ」
「うん」


今は約束よりも成田さん優先だから、申し訳ないけどその場をすぐに終わらせる。

佐藤に視線だけ向け返事をして、すぐ成田さんへと視線を戻した。


「瑞季くん、みんなと打ち解けたね」


僕が話す前に成田さんが話し出す。
今もニコニコと作ったような笑顔を浮かべている。


「やっぱり瑞季くんはみんなの輪の中心にいるタイプだったね。わたしの言った通りでしょ」


どうしてだろうか。

成田さんのこの笑顔を見ていると、理由もなく胸が締め付けられる。

そういえば……。

ふとあることに気づき、成田さんに手を伸ばす。


「何、急に!?」
「あ、いや、肩に糸くずがついてたから」
「ほんとに?どこだろう」


僕が伸ばした手に過剰に反応して、避けるように身を引いた。

そして肩を自分でパパッと払っている。

やっぱりおかしい。
成田さんはボディタッチが多い。

それは成田さんと関わるようになってからずっとそうだった。

だから、初めに成田さんの余命が減っていることに気づいた時には、僕からは触れずに確認できた。

それなのに今は僕が触れることを拒んだように見えた。


「……成田さん」