ただ諦めて流れに身を任せ運命に従うよりかは、どれだけ困難でも茨の道でも、必死にあらがって変えられるほうがいい。
これは僕にとって希望だ。
成田さんと出会わなければ気づけなかった。
成田さんと関わらなければ気づけなかった。
そんな成田さんは、最近少しおかしい。
僕と距離ができた気がする。
距離感のおかしい成田さんと距離ができるなんて今までなかった。
昼休みも放課後も変わらないメンバーで過ごしている。
だけど、成田さんは最近、貼り付けたようなニコニコ笑顔しかしない。
それはいつからだっけ?
気になって尋ねたことはあったけど、流されてしまった。
彼女は僕の質問に対して流したり茶化したりすることは多々ある。
でも、さすがにそろそろ誤魔化されたりしない。
「成田さん」
ちゃんと僕の納得できる答えを聞くまで、しつこくしよう。
そう決めて、授業間の休み時間に入った瞬間に声をかける。