大量の手紙をカバンから出すと、校舎裏にある大きなゴミ箱に投げいれた。
「『おまえが蒼生くんの彼女なんて許さない。死ね』」
「!?」
突然、手紙を読み上げられた声に驚き、手に持っていた残りの手紙がバラバラと地面に落ちた。
「蒼生くん!」
「教室に来ないで、こんな校舎裏に向かってる新菜の姿を見かけたからさ。そしたら、なんだよこれ……」
「……」
「その様子は、初めてのことじゃないな?」
「……」
「新菜」
「……こうなるのは、なんとなく想像出来たことだし。みんなは私が本当の彼女じゃないって知らないから」
「知ってたら意味がないだろ?」
「そうなんだけど」
ため息交じりに言った蒼生くんの言葉が、なぜか胸に刺さった。