「この悩み事が問題とかじゃなく、なんとなく不思議な感じがするの」

「不思議?」

「うん……なんていうか、この違和感。それがなんなのか……」

 自分で口にしていて、その理由がなんなのか分からずにいた。

「違和感か……」

 蒼生くんも、みんなも無口になった。

「ただ単に相手が違うってことなんじゃないのか?」

「え!? 相手が違う」

 めったに意見しない陸くんがボソっと言った。

「水沢奈乃香と、その青森佑二が、お互いのことをSSFにメッセージしてきたってオレたちは思っているけど、本当は別人だったりするんじゃないかって」

「そうか、だから相手がみつけられないのかもしれないな。陸の言うように、一から考えて調べ直してみる必要があるな」

 陸くんと翔太の話に、みんながうなずいた。

 そうでもなければ、青森佑二の悩みは大したことではないということになってしまう。

“悩みを解決してほしい”そう本気でメッセージを送ってくるのは20%以下だと翔太とひな子は言っていた。それくらい、嫌がらせ的な嘘メッセージが多いという。

 SNSを始めた時にこうなると分かっていたと話していたから、それくらいの見極めはみんなが出来ている。

 でも……なぜか、今回のミッションは『違和感』というものが私につきまとっていた。