数日経った放課後、私たちSSFメンバーは、学校から少し離れた有名チェーンのカフェに来ていた。18時を回った店内は思ったより学生は少なく、仕事帰りのサラリーマンがゆっくりとお茶をしているように見えた。

 入口よりも離れた場所に座ると、私たちは緊張で無口になっていた。

「18時半。そろそろだ」

 蒼生くんがスマホの時計を見て言った。

 そこに現れたのは“水沢奈乃香”だった。

 今回上がったターゲットを調べてみると、水沢奈乃香は同じ学校なだけあって、その様子や本人のことを調べるのは簡単だった。

 だが、相手の“青森佑二”は調べることが出来なかったのだ。 
 メッセージが届いたアドレスに返信しても、その後の連絡はなかった。

 どこの誰なのか? どこへ越したのか? 心変わりでもあったのか? 何が原因かはわからないが、まったく連絡が出来ない状態だった。

 そもそも、水沢奈乃香が言っている人が、青森佑二なのかもわからない。

 水沢奈乃香本人に詳しく聞いて、電車の中で想いを寄せていた相手に知り合いは居なかったか、彼のことを詳しく聞いて、行方を探すことになった。