「オレはこれくらい大したことないよ」

「うん、アタシもぜんぜん大丈夫だよ」

「サンキュ。2人とも頼む」

「オッケー」

 蒼生くん……さっきの私が気になっていたメッセージのこと覚えていてくれたんだ……。

 チャイムが鳴ると、みんなは慌てるように屋上を後にした。

 その後を追うように屋上から出て行こうとする蒼生くんに「ありがとう」と声をかけた。

 強い風に揺れる蒼生くんの髪、そこから覗く瞳を見るとドキっとする。

 振り返った蒼生くんは私に「新菜の勘だろ」そう言って笑った。

「……」

 私の勘。
 うん、そう。でも、そんなの役に立たないことは分かっている。
 だからなのかな、何か違和感のあるメッセージのことを強く言うことが出来なかったのは……。

 ううん。

 それよりもっと、みんながこのSSFに夢中になっていることが嬉しかったのかもしれない。

 みんなとここにいることが、ここが“私の居場所なんだ”そう感じることが出来ていたから。