「……」

 ん?
 このアカウントネーム……さっきも見た気が……。
 私は過去の書き込みを見返すように、何度もスクロールする。

「……」

 あった!

『uta no oto』

 うた の おと……?

 そのアカウントネームからの書き込みが何度もあった。何日も、何時間おきにも、その悩みは頻繁に書き込まれていた。

「新菜どうした?」

「え……うん」

 私の様子に気付いたのか、蒼生くんが声をかけてきた。

「この“うた の おと”って人からの書き込みがたくさんあって。短時間にこんなに書き込みしてる」

「“うたのおと”? あぁ本当だ」

「あぁ、アタシも気付いてた。よく目にする名前だなとは思っていたけど、悩み事がなんていうか……」

 話を聞いていた翔太とひな子が、その名前の書き込みを見始めた。