陸くんの悩みを解決した後、生徒たちや近隣の学生たちが、その情報をどこから知ったのか、翔太とひな子が作ったSNSのアカウントはある意味炎上していた。
秒で書き込みされるくらい『助けてほしい』という悩みが溢れ返っていた。
「いや……これは追いつかんな」
「ホント。これが本当の悩みなのかも見分けがつかないよね」
屋上に集まっていた昼休み。翔太とひな子は書き込みを読みながら、頭を抱えていた。
大きなため息とともに、何度も空を仰ぐ仕草が、2人が画面とにらめっこして疲れてきている証拠だった。
「私なんて、そんなの見てるだけで疲れちゃーう」
始めから投げやりな柚は1人のんびりとお弁当を食べていた。
そんな柚の言葉に笑いながら、私は自分のスマホの画面に目を向けた。
確かにねぇ、この書き込みがすべて本当の悩みだったとしたら、今の学生って悩みしか持ってないのかもなんて思ってしまう。同年代の私が今後の日本の未来に絶望を感じる。
この恐ろしい数の中から次のターゲットを見つけるって至難の業だ。次々と流れるコメントに目を細めた。