「新菜が陸のことを察していたみたいに、新菜もちょっと人を寄せ付けない雰囲気だったからさ」

「それは……この髪の色のせい?」

「まぁ、それもあるのかもしれないけど」

 ひな子は屋上にある柵に寄りかかりながら、こちらを見るとそっと微笑んだ。

「え、なに?」

「私はー、蒼生くんが理由かなーって思ってたぁ」

「え……」

「あはは!」

いきなり大声で言い放った柚の言葉に、ひな子が笑い出した。

「何よ、それー」

「だって、アタシも思ってたことを柚は堂々と大きな声で言うからさ。おかしくなって」

「あ、じゃあ、ひなちゃんもそう思ってたってこと?」

「まぁねー」

「何よ、2人してー。ぜんぜん、そんなことないよ」

「えー、そう?」

「そうかなぁ?」

 2人の言葉に否定をするも、動揺が隠せないでいた。

 でも、こんな話が出来る友人が私に現れるなんて。
 今までは1人が楽だったし、それが普通だった。教室でも女子が束になって行動する様子は見ていて苦痛だったし、何がそんなに話して面白いのかって不思議だった。

 もしかしたら、そういう経験をしたことがなかったから、苦手意識があっただけかもしれないな。