「……」

 私が家に居なくても、きっとママは心配なんてしない……。それを証拠にこんな時間になって電話もない。休日のこんな時間まで仕事してるなんて嘘に決まってる……。

 私はいつの間にか、うちの家庭環境のことを蒼生くんに話していた。次々と溢れ出る言葉に、自分でも止められなくなっていた。
 愚痴と捉えられてしまうかもしれない、でも、私の中ではそんな簡単なものではないんだ。

 ずっと誰かに話したかった。

 めちゃくちゃママの文句を言ってやりたかったんだ。

 そうしなければ、成績が落ちて怒られることも、「ちゃんとして!」と責められることも、もううんざりで、心が折れてしまうと思った。

 私がすべていけないんだと、さらに自分を責めたててしまう。

 自分の生きている意味を見失ってしまう……。