私は身支度を整えると家を出た。

 どうせママは仕事で帰りは遅い。家に居たってしょうがないし、なにか食事をしようと家を出たのは17時を回ってからだった。


 沢山の人が行き交う交差点。そこを見下ろせるビルにあるカフェ。運よく窓際の席。

 高いビルに囲まれた街のネオンが眩しいくらい輝いて見える。

 日曜日だもんなぁ……周りを見回すと、道を歩く人たちも、店の中もカップルやファミリーばっかり。それもまた私にため息をつかせた。

「……」

 1人で食事をすることにも慣れたけど、やっぱり1人だとごはんは美味しくないなぁ……。

 こうやって考え事をし始めると、いつも最後に考えるのは両親のこと。お店や外を歩く家族を見て、どうしてうちは家族が壊れたの?っていつも思う。

 蒼生くんのように、パパもママも特殊な仕事をしているわけじゃない。ごく普通のサラリーマンだ。それなのに家族をないがしろにするほどの仕事だったのかな?って考える。

 それとも、私がいけなかったのかな?とか……。
 
 私なんて必要なくて、私がいなければ2人は仲良く出来ていたのかなって……。

「……はぁ」

 考えて、またため息が漏れた。