どんなに勉強を頑張って成績が良くたって、ママは喜ぶどころか、いつものあのセリフを繰り返すだけだった。私のためとか言うけど、それって世間体とか自分のプライドが優先じゃんって思う。別にママのために勉強を頑張っているわけじゃないけど、なんだか頑張ることへの意味が見いだせなくて、いろんなことが面倒に思えていた。
学校では常に成績も良くて、真面目で……クラス委員長なんてやっちゃって、大人にはなんて都合の良い子供。
そんな嘘っぱちな自分にも正直うんざりだった。
みんなの推薦で決まったクラス委員長なんて言って、本当は大人しい私に押し付けただけで……。私は本当に都合のいい生徒で……。
それが、すごく嫌だった。
何もかも変わりたいとずっと思っていた、あの日。
私は髪を金髪にした。
背中まである長い金髪は、かなりのインパクトを与えていた。
ママの声にもならない驚き。
電車の中では私と目を合わさないようにする人もいた。
今時、金髪の人なんて街を歩けばゴロゴロいるのに、カッチリ着ている学校の制服が違和感を醸し出しているのかもしれない。別に校則が厳しい学校ではないけど、進学校ということもあってか真面目な生徒が多く、不良みたいな生徒はいないし、世間でもしっかりした学校というイメージがあった。
学校での反応は今までの優秀な生徒とはまるで反対の不良扱い。先生は掌を返したように問題児扱いで、見る目も態度も変わった。今まで仲良く話していたクラスメイトも声をかけてくることはなくなった。
なんて爽快!
私はそう感じた。