「音楽ってすごいね」

 後ろから近づき私がそう言うと、蒼生くんと陸くんは笑った。

「陸くんはピアノを続けるの?」

「……もう何年もピアノを触ることに恐怖を感じていたけど、体は覚えているんだなってビックリした。もしオレのピアノが何かの役に立つならと思うけど、今は先のことは何も考えていないかな」

「そっか」

 蒼生くんは屋上からの眺めを満喫するように、強い風を感じながら遠くを見つめていた。

 蒼生くんのピアノの案がなければ、今回のミッションは成功しなかったかもしれない。まるで蒼生くんは超能力者みたい。それは必ず悩みを解決したい、助けたいという気持ちが強くあるから叶えられるものなのかもしれない。

 でも……。

 陸くんや武下樹のように何年も悩み、命まで絶とうとしてしまう人がいる中で、人に罪を擦り付け人の人生を壊しても、今この時も罪悪感もなく生きている人がいる……それを思うと悔しくて、切なくなった。

「……必ず罰は当たるんだ」

「え?」

 私の心の声を聞いていたような蒼生くんの突然の言葉に驚き振り向いた。

 蒼生くんは表情を変えず、ずっと空を見つめ話し続けた。

「どんなに今を悩みなく幸せに暮らしていても、人を不幸にするような奴にはきっと罰が当たるんだ」

「……蒼生くん……」

 とても重い言葉……まるで、それを本当のことのように話すんだね……。