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 数日後――学校の屋上に行くと、そこに蒼生くんと陸くん2人の姿があった。

 強い風になびく髪をかき上げる陸くんの顔は以前とは違い、とても清々しい表情を見せていた。あんなに柔らかい笑顔を見せることが出来るなんて……まるで別人。

 隣で話す蒼生くんも、このミッションが終わるまでの緊張した顔付きとは違う。陸くんと話せることが嬉しいと感じているような、そんな笑顔だった。

 陸くんと武下樹はその後、連絡を取り合えるまでになったということだった。

「オレが仲直りなんて言える立場じゃないから」

 そう謙遜する陸くん。

 でも、あの日、武下樹は陸くんにすべてを話していた。

 イジメに遭い苦しい日々を送っていた6年間。
 陸くんがイジメの主犯ではないことを知っていたが、自分から連絡することなんて出来なかったという。陸くんが死んだように罪悪感を抱え生きてきた6年、それは自分の犯した罰。今、その6年をあのピアノの連弾が埋めてくれたという。

『もう、罪悪感を抱えて生きなくていいよ』

 あの言葉に、陸くんは救われた。