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「……陸のことを調べたよ」

　放課後の屋上にSSFメンバーのみんなが集まった。
　少しずつ季節は移り変わっているとはいえ、２月末の屋上の風はまだ冷たく、みんなの手には温かい飲み物が握られていた。
　翔太とひな子が陸くんのことを調べてきてくれたが、いつもターゲットを調べる翔太の自信のある感じとは何かが違っていた。いつも以上に言葉が出るのに時間がかかり、それはひな子も同じだった。
　何か言葉にしづらいような雰囲気で、調べてきた２人の顔がどんどん曇っていくのを感じた。

「翔太どうした？」

　そんな様子を蒼生くんも察したように、翔太の表情を見て声をかけた。


「陸の悩みはたぶん、中学の時のイジメが原因だと思う」

「中学の時のイジメ？　陸はイジメに遭っていたのか？」

「いや、逆だ。陸がイジメをしていた」

「！」

　イジメをしていた！？
　翔太の言葉にみんなが無言になる。
　あの無口で物静かな陸くんが、イジメを！？