眩しい光を遮るカーテンから、うっすら覗く冬の陽射し。
 寒さを和らげてくれる、この季節の貴重な陽射しは、寒いのが嫌いな私を癒してくれる唯一のもの。
 寒さの厳しい冬の朝は、私の動きを一層鈍くさせた。

「新菜ー! 早く起きなさい!」

「……」

 1階から響く……いや、怒鳴りつけるようなママの声に、嫌々ベッドから這い出る。

「新菜! ちゃんとしてよ。ママもう仕事行くからね」

 まだ眠い目をこすりながら1階に降りると、仕事に行くためバタバタと支度をしているママの姿があった。一見綺麗に片付いているように見えて、元の場所に物を戻せないのがママの悪い所。だから毎朝バタバタと騒がしく右往左往しているのも見慣れている。

 適当に置かれた食パンとベーコンエッグ。まだ、いつもよりマシ。いつもは菓子パンとか惣菜パンとか当たり前で、自分はダイエットとか言って何も食べないから、私の朝食さえ適当だ。

 こんな自分勝手なママを私はじっと見つめた。

「……」

「何? また夜更かししたの?」

 私の顔を見るなり、眉間にシワを寄せそう言った。