ターゲットの選出は蒼生くんと私がする。
私は昔から人の顔色を伺って生きてきた。
それはママとパパの毎日の喧嘩が原因だった。
ママもパパもいつもイライラしていたから、それを察するように顔色を伺っていた。今でこそママに文句も言ったりするけど、幼い頃はそんな2人を見ることが嫌だったし、怖かった。それからか、人の考えていること、思っていることがなんとなくわかるようになった。
もちろん悩みの理由とかそんなことまではわからないけど『この人何かあったな』とか『何かずっと考え事しているな』とか、直感というか、そういうことがわかるようになった。
その勘を使って、悩みを抱えていそうな生徒をみつける。
ターゲットを数人決め、翔太とひな子がネットと人脈を使い、悩みを深く探っていく。
悩みを解決するための案やその場所の選定、それを、柚を含めたみんなで決める。
柚はお金持ちということもあって、私たちでは入れないお店や場所を使えるようにしてくれたり『それならこの場所がいいよ』という案をたくさん出してくれる。
その柚の力が、大人がいなくてはまだまだ動きを制限されてしまう高校生の私たちには欠かせない。