「安達はどうする?」
「え?」
「SSFを続けるかどうか。今日はそれを確認するために、みんなに集まってもらったんだ」
「SSFを続けるか……どうか」
みんなが私のことを見つめた。
みんなの答えは決まっているということか。
「……」
私に何が出来るのか……ずっとそう考えてきた。
私はみんなの顔を見まわした。
翔太の頭の良さ、責任感、IT関係に詳しいこと。
ひな子のように活発で、人脈もあって、どんな部活からも声がかかるほどの頼りがいがあって。
柚のように持って生まれた最高の環境だけじゃない、しっかりとした考えと、自分のやりたいことの道へ進む思いがあって。
陸くんのように、ピアノの才能があって、人の心の痛みを、きっと誰よりも理解できる優しさを持っている。
今までのSSFのターゲットたちも、自分の才能というものを理解しているからこその悩みを抱えていた。
1人、1人、その魅力は違う。
私は取柄も何もないけど、自分にもできることが1つでもあると信じている。
「うん、私も続けたいよ」
「安達!」
「よかった、新菜!」
みんなの顔がぱっと晴れた気がした。