少しずつ色が変わり、すべての色を取り戻した時、画面に現れたのは『SSF ―Special Snowflake―』という文字だった。

「SSF……これって」

 私は驚き翔太へ顔を上げた。

「また、SSFを再開する」

「え……」

 それは考えもしなかった言葉だった。

 あの爆発騒ぎの後、屋上に取り残されてしまった私たちを、消防士さんが見つけてくれて助け出された。屋上へ上がる階段のすぐ前にある理科室からの爆発事故で、ケガ人はいなかったが、準備室の一部が燃え、窓ガラスも割れ落ちたということだった。

 大きな火災ではなかったけど、屋上の階段は煙で何も見えなくなり、逃げることが出来なくなっていた。

 そのことで、勝手に屋上を使っていたことが学校にバレてしまい、クラス委員も一新されて、必然的にSSFは解散になってしまった。

 蒼生くんもすぐに入院してしまったから……。

 時々見る屋上へ続く階段は、今まで以上に頑丈に閉められ、生徒たちが勝手に入ることは出来なくなっていた。なんだか手の届かない場所になってしまったように思えて、屋上のドアの隙間から漏れる日の光さえも切なく見えた。

 元クラス委員のみんなとは会って話すことはあっても、もう二度と、SSFの集まりもミッションもすることはないと思っていた。

 そこに蒼生くんもいない。

 蒼生くんがいなければ、SSFの活動は出来ないと思っていたから。

 受験を控えていた私たちは自然とそれぞれの道へ向かって、自分たちの時間を大切にするようになっていた。

 生活は少しずつ変化して――。