高校を卒業した私たちは、SSFのメンバー揃って大学生になった。

 みんな別々の学校だけど、さすが、みんなはすごい大学に簡単に入学して。私はというと、やっとという感じだった。

 それでもママは大学に受かっただけ良かったって喜んでくれたのは意外というか、まあ、プライベートが落ち着いていると心にも余裕が出来るんだろうなって感じ。恋人とも変わらず上手くいっているみたいだし。いつも幸せそうにしている。

「あったかい」

 カフェに入ると、外の寒さが嘘のように、ふわりとした温かさに包まれた。
 この寒さで店内のコーヒーのいい香りが増しているように感じ、カウンターを見ると淹れたばかりのコーヒーから大きな湯気が立ち上がっていた。

「だよねぇ。こんな時期に暖房って考えられないよねえ」

「ホントにー。着る物に困るよねぇ」

「そうなのー。今頃ダウンなんて引っ張りだしてきたよ」

 温かさに安心してか、久しぶりのはずが、言葉が次々にあふれ出した。