「きゃー!」
「翔太どうにかしてよー!」
「どうすりゃいいんだよ!」
翔太を助けようとしている陸くんも、ひな子も真っ白になっていた。
「ぷっ……あははは!!」
「蒼生くん!?」
「蒼生! 笑ってないで手伝え!」
「蒼生ー!!」
さっきのしんみりした様子が嘘のように、みんな大騒ぎになっていた。相変わらず校舎にはベルの音が鳴り続け、気付けば消防車や救急車までもが学校の周りに集まっていた。
こんな緊急事態にも関わらず、心なしかみんなは笑顔で、そんな様子を蒼生くんは笑いながらしきりにスマホのカメラで写真を撮っていた。
「蒼生! なにやってんだよ、こんな時に!」
「写真なんか撮ってないでよねー!」
撒かれた真っ白な粉は風に流され、空へ大きく飛ばされた。それが陽の光に照らされ、キラキラと反射する。