「そういえば、私もSSFってチーム名の意味聞いたことないや。まさかチーム名があるとも思わなかったし」
私は蒼生くんを見つめた。
気付いた時にはもう、この“SSF”という名前は存在していた。
「SSFは“Special Snowflake”の頭文字を取ったんだ」
「スペシャル スノーフレイク? それどういう意味なの?」
「スペシャル スノーフレイクって前にネットで騒がれたやつだろ?」
「翔太、知ってるの?」
私は翔太へ振り向いた。と同時に翔太はすでにスマホで“スペシャル スノーフレイク”の意味を調べ始めていた。聞いたことのない言葉に、ひな子も柚も首を傾げている。
「スペシャル スノーフレイクって、1人1人みんな個性的で才能がある特別な存在って意味。でもそれをネガティブな意味として言った人がいた。『自分は有り余る称賛を得るに値する特別な存在だ、俺は素晴らしい人間なんだ』そう自画自賛する人のことを皮肉った言い方としてスペシャル スノーフレイク……と」
「へえ! そんなふうに言う人がいたんだー。確かに自分で『素晴らしい人間』なんて言うのってかえってダサイよねぇ」
ひな子はケラケラと笑いながら言った。