「でも、そろそろタイムリミットだ」

「蒼生!」

「ちょっと、そんなこと言わないでよ」

「月城! なんでもっと早く話さなかったんだよ!」

「そうだよ蒼生くん! ねえ! 新菜ちゃんもなんとか言って……」

 繋いだままの手はさらに強さが増した。

 息ができなくなるくらい、止まらない涙が私の頬をつたう。

「……っ……」

 離れたくない……でも、命を大切にしてほしい。

 矛盾した想いが溢れ出そうになるのを、こらえるのでやっとだった。

「前は死ぬことなんて、なんとも思わなかった。でも……今さら遅いって分かってる。(ばち)が当たった、それを神様が許してくれたら……」

「蒼生くん……」

「生きたい。今はそう願いたいんだ。新菜といたいから」

「……っ……」

 絞りだすように話す蒼生くんの苦しそうな言葉に、みんなはそれ以上声を出せずにいた。