「そんな時、新菜に出会って、この学校に転入してきたんだ。新菜も母親のことで悩んでいた。悩みを抱えているのは俺だけじゃない。死にたいそう思っているのは俺だけじゃない。そう思った時、このSSFが生まれた」

 みんなは蒼生くんの言葉が冗談ではないと理解したのか、話し続ける蒼生くんに聞き入っていた。

「もし俺のこの病気が神様から与えられた(ばつ)ならば、残りの時間をこのSSFに使いたい。何かで悩む生徒の力になりたい。そう思ったんだ。そこに、翔太、ひな子、柚、陸、そして新菜が集まった」

「……すごい任務で、オレたちは集められたんだな」

 翔太は見たこともないほどの険しい顔をして、そして笑った。

「この半年、夢中で取り組んできたSSFの活動は、暗闇の中にいた俺の光だった。余命半年って言われていたのに、それもとっくに超えてる。すごいだろ」

 そう言いながら蒼生くんは今までに見せたことがないような笑顔を見せた。