「新菜?」

「安達どうしたんだ?」

「もー、ビックリしたー」

 裾を掴んでいた手を、蒼生くんはそっと離し、私の手を握った。

「蒼生くん……」

 蒼生くんが真っ直ぐ私を見つめた。

 そしてまた、優しく微笑んだ。

「ちょっと、ちょっとー。何、見つめ合ってんのー?」

 みんなの笑い声の中、蒼生くんは小さな声で話し出した。

「SSFのミッションは、ここまでだ」

「え? 月城、ここまでってどういうことだよ?」

 いつも無口な陸くんが誰よりも早く驚きを見せた。

「そうだよ。あの時はさ、アタシも忙しすぎて、SSFの活動もなんだか永遠に終わらない感じがして、もっとゆっくり活動していきたいって思ってたから、あんな態度とっちゃったけどさ。SSFを辞めたいわけじゃないんだし……」

「そうだよ。ひなちゃんだって、あの時はいっぱい、いっぱいだったんだし。みんなこの活動が好きなんだよ? それなのに……」

 みんなが焦るように口を開く。それは、それぞれのSSFへの想い。

「……蒼生、何かあったのか?」

 冷静な翔太の言葉に、蒼生くんは私の手をさらにきつく握った。

「蒼生くん……」