「新菜はさ」

「え?」

「新菜は、この水沢奈乃香のこと始めから気付いてたの? アタシが水沢奈乃香の書き込みを見つけた時もなんだか乗り気じゃなかったじゃない」

「ううん、そんなことないよ。なんとなく違和感はあったけど、それがなんなのかまったく分からなかった」

「そうなんだ」

「うん、こんなことになるまで、水沢奈乃香がどんな人物なのかも気付けなかった」

「これから、こういうことがあるかもしれないから注意してターゲットを見つけないとな」

「うん、翔太の言う通りだよねー。アタシも反省してる」

「ひなちゃんがこんなふうに素直に謝るなんて、ひなちゃんも変わったよね~」

「柚~!!」

「あはは」

 翔太の言葉に、みんなの笑い声に、蒼生くんは1人うつむいていた。

「……」

 それは、その横顔は、この先のSSFの未来を意味していた。